80%~90%と、20%~10%の選択
2013年2月28日 TCG全般 コメント (6) 『アドリブ王子』というパチスロ漫画をご存じの方は、いらっしゃいますか?主人公の王子【ハンネ的な呼び名のようです。】がパチスロで勝ち進む、いわゆるギャンブル漫画なのですが、その中で時々主人公が、『普通ならこの台を選ぶところだが…、こっちだ!』というように、セオリーとは全く違う、一見出そうもない台を選んで勝っていくという場面があります。
こういう第六感というか、ひらめきというか、常識では計り知れない部分はカードゲームにも少なからず存在します。上記の場面を思い出したのは、東北の強豪プレイヤー、朗さんのレポートを拝見したからです。引用させていただくと、
『返しのターン、僕が山札から引いたカードはアララギはかせとアクロマ。トップはプリズムエネルギー。とりあえず、ルギアEXにエネルギーを張って、少しだけ考える。残りの山札はおよそ20枚。ここで山札に残っているキャッチャー3枚のうち1枚を引けば、僕がデオキシスEXを呼び出して、プラズマゲイルを打って勝てる。そこで、アララギを打てば7枚ドローできる。アクロマを打てば8枚ドローできるが、アララギが山札に残るのでどっちを使用しても確率は同じということを数十秒考えて、「アクロマッ!!」と使用カードを決める。この瞬間にしんくあ君が見せた「うわっ!!」という顔は忘れられない。頭の中で山札から引いたカードの中にあるキャッチャーを選び、相手につきつけるイメージをしながら、僕はしんくあ君に山札を渡しました。僕は彼が切った山札を受け取り、 8枚ドロー!!結果は…なんと、キャッチャー0枚!!対戦を見ていたギャラリーが「えっ!?」とざわつきました。ジャッジをしていた運営の風車君もビックリしたようです。「これは朗君の勝ちだろう」という予感が8枚のドローをもってしても届かなかったのです。』
これと同じような場面を私自身も経験したことがあります。第四回みらチャン杯決勝戦、みれさんとの対戦でしたが、自分自身の過去ログでこのように解説しています。
『極度の緊張で、完全にテンパっていましたが、先攻でキュレムが前、デオキが後ろ、更に手札にはプラズマ団のモンスターボール、アクロママシーン、水エネ、アララギ博士、N、相手の場はゼニガメのみという最高の状況。当然2体目のデオキを展開し、アララギで引く場面。しかし、毒催眠、デオキ、プラモンボ、いずれも引けず!』
朗さんとの文章力の差が、明白なので少し恥ずかしい気もしますが、私は先手1手目の、この場面が最大のヤマ場だと思っていました。状況を鑑みて、経験の差、自分自身の疲労度、対戦相手の実力、どう見てもここでワンキルする以外に勝ちは見えないのです。尚、文章の中では省略していますが、当然キュレムに水エネを貼り、アクロママシーンでプラズマエネを山札から持ってきてキュレムに貼るという手順も行っております。
とするとここで引くと勝てるカードを考えると、デオキ2体が山札にあることは確認してあります。
また、プラズマ団のモンスターボールも3枚山札にあることを確認してあります。後は確認していませんでしたが、毒催眠が何枚かあったのも記憶の隅には引っかかっていました。とすると、60-7-6=43で仮にサイドに毒催眠が2枚落ちていたとしても7/43くらいの確率になります。たぶん通常アララギで7枚引けば、70~80%位でそのうちの1枚は引ける確率ではないでしょうか。
ところが、この時妙な違和感がありました。Nの方に妙な気配を感じるのです。とっさに、上記に書いたアドリブ王子のセリフ『勝負事はセオリー通りで8割は勝てる。しかし、時々残りの2割で負けることもある。そこでアドリブの利かない奴は常には勝てない。』【正確には覚えていません。ざっくりこんなセリフだったなぁという程度です。】が頭をよぎりました。
Nで相手のハンドをリセットさせてもそんなに展開が大きく変わるわけでもないですし、アララギを山札に残すことができるため、確かにNを使うのも悪い手では無いのです。
しかし、人間やはり理には勝てません。誰だって80%くらいの確率で引けるはずだと思えば、当然そちらを選択します。しかし、ここで頭の中に入れておかなければならないのは、【時々カードを引ける期待値等を数学的に計算して出してくださる方もいますが、】おおよそ高い確率の時には80%から90%くらいそのカードを引ける期待値が出ている中でも、裏を返せば20%から10%の確率で負けることもあるという事実です。
前述の場面、アララギ博士で7枚引きにかかりますが、その中に欲しいカードはありませんでした。後は、自分自身が試合前に考えていたとおり、経験の差や実力の差、いかんともし難く、敗れてしまいました。
あそこの妙な違和感は、ひょっとすると、アララギで引く7枚のカードに有効なカードが無いことを、直感的に見極めていたのかもしれません。『もし、Nを使っていれば…。』と、悔やむ気持ちもありますが、それは叶わないことです。
朗さんの上記のレポートを読んだときに、真っ先にこの場面が頭に浮かんできました。ほとんど差のない2枚のカードに勝敗を左右されるのも、またカードゲームの醍醐味ですが、運命の女神の何といたずら好きなことでしょうか…。
時に正しい手を打っても敗れることがあれば、一見悪手を打っても引きの良さで勝ってしまうこともある。だからお父さんもお母さんも、若者もお子さんも、同じようにポケモンカードゲームに惹き付けられるのかもしれません。
また、どんなに構築等を練り上げプレイスキルを磨いたとしても、ほんの数%の確率で敗れることも実際にはあるということは、カードゲームをたしなむ者としては、理解しておく必要があるのかもしれません。
記事を引用することを快諾していただいた朗さんに、この場を借りて感謝したいと思います。
こういう第六感というか、ひらめきというか、常識では計り知れない部分はカードゲームにも少なからず存在します。上記の場面を思い出したのは、東北の強豪プレイヤー、朗さんのレポートを拝見したからです。引用させていただくと、
『返しのターン、僕が山札から引いたカードはアララギはかせとアクロマ。トップはプリズムエネルギー。とりあえず、ルギアEXにエネルギーを張って、少しだけ考える。残りの山札はおよそ20枚。ここで山札に残っているキャッチャー3枚のうち1枚を引けば、僕がデオキシスEXを呼び出して、プラズマゲイルを打って勝てる。そこで、アララギを打てば7枚ドローできる。アクロマを打てば8枚ドローできるが、アララギが山札に残るのでどっちを使用しても確率は同じということを数十秒考えて、「アクロマッ!!」と使用カードを決める。この瞬間にしんくあ君が見せた「うわっ!!」という顔は忘れられない。頭の中で山札から引いたカードの中にあるキャッチャーを選び、相手につきつけるイメージをしながら、僕はしんくあ君に山札を渡しました。僕は彼が切った山札を受け取り、 8枚ドロー!!結果は…なんと、キャッチャー0枚!!対戦を見ていたギャラリーが「えっ!?」とざわつきました。ジャッジをしていた運営の風車君もビックリしたようです。「これは朗君の勝ちだろう」という予感が8枚のドローをもってしても届かなかったのです。』
これと同じような場面を私自身も経験したことがあります。第四回みらチャン杯決勝戦、みれさんとの対戦でしたが、自分自身の過去ログでこのように解説しています。
『極度の緊張で、完全にテンパっていましたが、先攻でキュレムが前、デオキが後ろ、更に手札にはプラズマ団のモンスターボール、アクロママシーン、水エネ、アララギ博士、N、相手の場はゼニガメのみという最高の状況。当然2体目のデオキを展開し、アララギで引く場面。しかし、毒催眠、デオキ、プラモンボ、いずれも引けず!』
朗さんとの文章力の差が、明白なので少し恥ずかしい気もしますが、私は先手1手目の、この場面が最大のヤマ場だと思っていました。状況を鑑みて、経験の差、自分自身の疲労度、対戦相手の実力、どう見てもここでワンキルする以外に勝ちは見えないのです。尚、文章の中では省略していますが、当然キュレムに水エネを貼り、アクロママシーンでプラズマエネを山札から持ってきてキュレムに貼るという手順も行っております。
とするとここで引くと勝てるカードを考えると、デオキ2体が山札にあることは確認してあります。
また、プラズマ団のモンスターボールも3枚山札にあることを確認してあります。後は確認していませんでしたが、毒催眠が何枚かあったのも記憶の隅には引っかかっていました。とすると、60-7-6=43で仮にサイドに毒催眠が2枚落ちていたとしても7/43くらいの確率になります。たぶん通常アララギで7枚引けば、70~80%位でそのうちの1枚は引ける確率ではないでしょうか。
ところが、この時妙な違和感がありました。Nの方に妙な気配を感じるのです。とっさに、上記に書いたアドリブ王子のセリフ『勝負事はセオリー通りで8割は勝てる。しかし、時々残りの2割で負けることもある。そこでアドリブの利かない奴は常には勝てない。』【正確には覚えていません。ざっくりこんなセリフだったなぁという程度です。】が頭をよぎりました。
Nで相手のハンドをリセットさせてもそんなに展開が大きく変わるわけでもないですし、アララギを山札に残すことができるため、確かにNを使うのも悪い手では無いのです。
しかし、人間やはり理には勝てません。誰だって80%くらいの確率で引けるはずだと思えば、当然そちらを選択します。しかし、ここで頭の中に入れておかなければならないのは、【時々カードを引ける期待値等を数学的に計算して出してくださる方もいますが、】おおよそ高い確率の時には80%から90%くらいそのカードを引ける期待値が出ている中でも、裏を返せば20%から10%の確率で負けることもあるという事実です。
前述の場面、アララギ博士で7枚引きにかかりますが、その中に欲しいカードはありませんでした。後は、自分自身が試合前に考えていたとおり、経験の差や実力の差、いかんともし難く、敗れてしまいました。
あそこの妙な違和感は、ひょっとすると、アララギで引く7枚のカードに有効なカードが無いことを、直感的に見極めていたのかもしれません。『もし、Nを使っていれば…。』と、悔やむ気持ちもありますが、それは叶わないことです。
朗さんの上記のレポートを読んだときに、真っ先にこの場面が頭に浮かんできました。ほとんど差のない2枚のカードに勝敗を左右されるのも、またカードゲームの醍醐味ですが、運命の女神の何といたずら好きなことでしょうか…。
時に正しい手を打っても敗れることがあれば、一見悪手を打っても引きの良さで勝ってしまうこともある。だからお父さんもお母さんも、若者もお子さんも、同じようにポケモンカードゲームに惹き付けられるのかもしれません。
また、どんなに構築等を練り上げプレイスキルを磨いたとしても、ほんの数%の確率で敗れることも実際にはあるということは、カードゲームをたしなむ者としては、理解しておく必要があるのかもしれません。
記事を引用することを快諾していただいた朗さんに、この場を借りて感謝したいと思います。
コメント
小早川が好きです
もし私が同じ状況であれば、やはり確率を信じると思います。
実際しんいちパパさんの例でNを使って引けなかったときの後悔の方が大きい気が・・・。
あの日のしんくあさんは何かを持っていました。
アドリブ効かないんだよなぁ〜。ホクロにオカシにアイス、いいキャラ多いですよね。
結局のところ、『みれさんが持っていた。』というのが、手っ取り早い結論だと思います。その後、アララギでカメックス2枚を切っておきながら、展開に成功するところを考えても、そう思います。そして私の実力がそこまでではなかったのももちろんですが…。